2015年~2016年に放送していたデビッドマシューズさんのラジオ番組「ON AIR GIG」がいよいよ今夜、放送を再開します。私はディレクターとして、この番組に関わっています。
八戸在住のマシューズさん。八戸の人はマシューズさんのことを、親しみを込めて「マーちゃん」と呼びます。これは、NHKの「英語でしゃべらナイト」で「マーちゃん」と呼ばれたことが始まりだそうですが、マシューズさんは私たちにいつも「絶対に(自分のことを)マーちゃんと呼んで!」と話します。
マーちゃん(=マシューズさん)と八戸の出会いは2006年、マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(MJO)のコンサートが八戸市公会堂で行われたときのことでした。マーちゃんは、コンサートの後に中心街の「みろく横丁」を訪問。その際に、八戸市民やファン、そしてMJOのメンバーが入り乱れてお酒を飲んだことが、強く印象に残っているといいます。
MJOは2008年にも八戸市公会堂でコンサートを実施。その際、現在の奥様の径子さんと一緒に楽屋にお邪魔し、インタビューさせていただいたことが出会いでした。
そしてその後、なんと径子さんと私はmixiでマーちゃんを発見!マーちゃんに「また八戸に来る予定はありますか?」とDMを送ると、「マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の日本ツアーがあるかもしれないから、プロモーターの浅石さんに連絡してみて」と返信が。
その人「浅石さん」にメールを送ると、「まさか郷里の人から連絡が来るとは思いませんでした」と返信がきたのです。
偶然にも、MJQのプロモーターを担当していた浅石雅道さんは八戸出身の方でした。それから浅石さんと意気投合(?)した径子さんと私は、2009年にMJQの八戸公演を実現させるべく、市内のライブハウスや施設に売り込みをかけます。その声に応えてくれたのが、当時、天聖寺(十六日町)で文化事業を手がけていた元中野レコード(ヤグラ横丁)の中野さんでした。中野さんは「こんなまたとないチャンス逃すわけにはいかない。赤字になっても良いから実現させる」と言い、2009年9月、ついに天聖寺本堂でのMJQコンサートが実現します。
それからというもの、マーちゃん、浅石さん、私たちの信頼関係が深まり、径子さんとマーちゃんは家族になることに。マーちゃんと径子さんは、2011年には八戸に長期滞在し、その後も、千歳市や、熊本県大津町などにも長期滞在。2015年~2016年にも滞在し、当時のBeFM放送局長の塚原隆市さんの理解もあってON AIR GIGを制作するに至りました。当時の番組では、類家心平さんのご実家にも伺い、収録したこともありました。
2020年3月、マーちゃんはついに在留資格を獲得し、翌2021年3月から八戸市内の一軒家で暮らし始めました。
マーちゃんは「死ぬまで八戸に暮らしたい」と言います。八戸市公会堂の皆さんがMJOを八戸に呼んでくださり、マーちゃんがみろく横丁で八戸のお酒や市民の熱意に魅せられて早19年。
こうしてご縁がつながり、新しくマーちゃんと繋がった人たちが「ON AIR GIGを再開させよう」と熱意を注いでくださり、番組を再開するに至りました。
絶対に知り合うことができないようなすごい人ですが、マーちゃんは私たちにとって家族のような存在。この番組では、マーちゃんを取り巻く地域コミュニティや、60年近くに及ぶマーちゃんの活動に隠されたエピソードをお届けしていきます。
この番組で届けるデビッドマシューズの声は、いつかきっと、未来の八戸の人たちへのメッセージになると思います。
塚原さん亡き今、この番組を再開できたことを本当に感慨深く思います。
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▷David Matthews Presents ON AIR GIG公式サイト