1泊30万!ファンタジースプリングスホテル・グランドシャトーの何が「最上級のリゾートステイ」なのか?実際に泊まって体験してみた

2024年12月、6月6日に開業したばかりの東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル・グランドシャトーに宿泊した。

東京ディズニーシーの8番目のテーマポート「ファンタジースプリングス」の「魔法の泉」のほとりに建つグランドシャトーの宿泊料金は、約30万円から。「東京ディズニーリゾートで最上級のリゾートステイ」が体験できるというが、果たしてどんなところが「最上級」なのか。自分へのご褒美として滞在したその記録を、綴っていきたい。

魔法の泉のほとりに建つ、美術館のような高級ホテル

私たちがホテルに到着したのは午前10時。ほとんどの宿泊客は早朝やチェックイン時間に集中するらしく、館内はとても空いている印象。入館するとキャストさんがグランドシャトー・ラウンジに案内してくれた。ラウンジに入るととても良い匂いが漂っている。大きな窓からアレンデール城が見え、「やっとこの場所に辿り着いたんだ!」という感動が込み上げてきた。

ソファに座ったままチェックイン手続きをし、館内を巡ると、至る所にディズニー作品をテーマにした絵画が飾られている。作風も様々で、散策が楽しい。ラウンジから客室に向かう途中には、この館を作ったダッチェスと親交が深いプリンセスたちの美しいドレスが並ぶ。館内には孔雀の壁画や、草木や虫をモチーフにした装飾が溢れている。さながらディズニーが作った美術館のようで、パークやレストランに行かずとも特別な出迎えを受けたように感じた。

客室で、さらなる魔法にかかる。

客室も言うまでもなく素晴らしい。リビングと寝室の2部屋に分かれていて、キャラクター色を抑えた装飾が美しい。

リビングの窓を開けてバルコニーに出ると、目の前にはアレンデール城に、エルサのアイスパレス、向こうには東京ディズニーランドのシンデレラ城や、美女と野獣の城も見える。そして眼下にはダッチェスが魅了されたであろう美しい泉が広がる。どこまでも続くおとぎ話の世界を目の当たりに、胸が高鳴る。

しばらくするとキャストさんが部屋にきて、ウェルカムドリンクとスイーツを提供してくれ、記念撮影をしてくれた。テーブルには支配人からのメッセージカードや、ファンタジースプリングスの物語が綴られたファイルが置いてある。キャストさん曰くファイルは「次に来た時の思い出も追加できるように」と写真・ルームキー・キャラクターのサインなどを綴ることができるようになっているらしい。冷蔵庫を開けるとスパークリングワインやビール、ソフトドリンクなどが用意されていて、追加料金なしで楽しむことができる。

バルコニーの景色を眺めながらお酒を飲むと、「もうパークに行かなくても良いんじゃないか?」と思ってしまう。それだけ、長く過ごしたいと思わせる部屋だった。とにかく、部屋が最高なことは強調しておきたい。チェックイン日はパークに行かずに館内でのんびり過ごすのも良さそうだ。

正味4時間!本格フレンチコースと「ダッチェスの友人」との特別な時間

初日のディナーは、宿泊者専用レストラン「ラ・リベリュール」を利用した。入店し、客席で歓談しているとキャストさんが「ダッチェスの友人が来ている」という。案内された部屋には、特別な衣装に身を包んだミッキーマウスが!彼に会えることはわかっていたが、やはり胸がキュンとする。

ミッキーはひとりひとりとの写真撮影やサインに丁寧に応じてくれた。「ミッキー、耳が大きいね」なんていうと、「君たちの耳は小さいね。僕のは大きいよ」と満足げに話してくれた。ディナーは「写真は1グループ1枚まで」というルールが無い模様。ミッキーと特別な時間を過ごせるのも、ラ・リベリュールの魅力だ。

そして肝心の料理は言うまでもなくどれも美味しい。ひとつひとつゆっくり提供される料理に会話が弾み、退店まで4時間を要した。が、それが一瞬に感じられるほどあっという間だった。滞在時間は平均で3時間ほどらしく、私たちは長い方だったようだ。キャストさんはワインに詳しく、実際にフランスなどに視察に行ったこともあるらしい。ボトルワインは8000円ほどから。お高いワインは150万円で、これまでに1本だけ提供したとか。料理やワインについて質問すると、楽しそうに説明してくれる。「ここのキャストは仕事愛しているな」と感じた。

アレルギー対応も完璧。食物アレルギーがある私でも楽しめるよう、メニュー表にはない特別な料理を出してくれた。ちょっと得した気分。

この日は宿泊メンバーのお誕生日のお祝いも兼ねていたので、ショートケーキや「薔薇のケーキ」を追加注文していた。キャストさんがケーキを囲んで記念撮影してくれて、退店の際にひとりひとりに手渡してくれた。店内から夜の花火も見ることができ、お祝いのムードを盛り上げた。お腹がいっぱいになって、カヌレなどが乗った最後のスイーツのプレートは残してしまったので、就寝前に食べようと部屋に運んでいただいた。キャストの素晴らしいもてなしを受けながらの4時間はあっという間。ディズニーホテルでこれほど満足した食事は初めてだった。

特別な体験は、パークでも。

チェックイン日の日中は東京ディズニーランドへ。11時半~16時という短い滞在だったが、宿泊特典を使って十分楽しめた。アトラクション利用券やショー鑑賞券を活用して、ミッキーのマジカルミュージックワールドやクラブマウスビート、美女と野獣魔法の物語などを体験。待ち時間も少なくスイスイ楽しめた上に、ショーはどちらも中央エリアの良い席!クラブマウスビートは前から2列目のど真ん中だった。それでも時間が余ったのでディズニー・クリスマス・ストーリーズも鑑賞でき、大満足の時間を過ごした。

チェックアウト日は、ファンタジースプリングスと東京ディズニーシーへ。入園する前に客室のバルコニーから外を見ると、ミッキーとミニーが魔法の泉の周辺を散歩していた。2人が魔法の泉を訪れることは珍しく、この日は撮影が入っていたようだ。ミッキーとミニーは撮影の合間に客室に手を振ってくれ、入園前から得した気分になった。

いよいよ、ハッピーエントリーでパークへ。専用のエントランスから開園30分前にファンタジースプリングスに入園。まだ誰もないアレンデールの景色を味わうことができた。魔法の泉の近くではアナとエルサに遭遇。アナに「トナカイのポーズをやって」と頼むと、快く応じてくれた。その後も、泉の周辺にはアリエルやラプンツェルの姿があった。ダッチェスに会いに来ていたのだろうか。

ファンタジースプリングスエリアの全てのアトラクションをスイスイ楽しめた上に、宿泊特典としてエリアのレストランの入店予約を活用してアレンデール・ロイヤルバンケットに入店。アレンデールの世界観を十分に楽しむことができた。

BBBに当選!でも、アメフロまで徒歩20分!

ファンタジースプリングスの最大にして唯一の欠点は、既存エリアからの距離だ。「どうせ外れるだろう」とビッグバンドビートのエントリーを試みると、当選してしまった。ロストリバーデルタからメディテレーニアンハーバーに向かうトランジットスチーマーラインを利用する手もあったが、乗船までの待ち時間が30分だったので歩いて向かうことに。ファンタジースプリングスから歩くこと20分、ようやくアメリカンウォーターフロントに到着。ビッグバンドビートは、疲れのあまりちょっと寝てしまった。

ソアリンに乗り、ビリーヴ!シー・オブ・ドリームスを鑑賞して、荷物を取りに再びホテルへ。とにかくファンタジースプリングスと既存エリアの移動はしんどかった。

あくせくせずに、一つ一つを深く味わう

東京ディズニーリゾートでの滞在は、アトラクションに乗りたい、パレードが見たい、キャラクターに会いたい、限定商品が欲しい・・・と、やりたいことを詰め込みがちだ。そのために早朝からエントランスに並び、入園と同時にプレミアアクセスの購入、スタンバイパスの発券、モバイルオーダーの注文などを急いで済ませる。舞浜の朝は、とにかく忙しい。

ファンタジースプリングスホテル・グランドシャトーでの滞在はそんな今までの滞在スタイルの対極にあると言って良さそうだ。魔法の泉を独り占めしたような気分になれる部屋からの景色、ラ・リベリュールでのゆったりとした食事とミッキーマウスとの触れ合い、美術館を思わせる館内の散策を楽しんでいるだけで、心満たされる時間が過ぎていく。

アトラクション利用券やショー鑑賞券を使えば、朝から晩までパークに滞在する必要もない。朝はハッピーエントリーを使って散歩気分でファンタジースプリングスに入り、エリア内のお目当てのアトラクションを楽しんだらまた部屋に戻ってバルコニーでスパークリングワインを飲みながらゆっくり過ごすと言う過ごし方もありだろう。2つのパークでしっかり遊ぶのは、チェックイン前とチェックアウト後だけでも良さそうだ。

グランドシャトーが提供してくれるのは、ひとつひとつの出来事を深く味わえる、ゆったりとした時間だった。

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